専任教員紹介

法政大学文学部史学科では日本史5名、東洋史3名、西洋史3名の専任教員計11名を擁し、広い地域の各時代を学べる体制を整えています。各教員の専門分野については、下記を参照ください。

日本史(5名)
東洋史(3名)
西洋史(3名)

日本史

小倉 淳一 教授
OGURA Junichi
弥生時代の土器や集落を対象として学んでいます。人々にとって生活の中心であった集落遺跡は実にさまざまな情報をもたらしてくれます。遺跡に残されているのは素焼きの土器や磨製石器といったごく一般的な考古学資料ですが、研究の切り口は多様です。そのため、土器の相対年代の検討や当時の人びとの暮らしの復元だけでなく、交流の実態や地域性の把握などの課題が山積しており、研究には終わりがありません。先行研究に学びながら資料を元に新しい見解を少しずつ重ねていき、考古学の方法にもとづいて弥生時代の社会がどのように展開していったのかを論じていきたいと考えています。

小口 雅史 教授
OGUCHI Masashi
本学では日本古代史担当。専門は日本古代土地経営史、日唐比較律令学、敦煌吐魯番文書学、日本古代中世北方史、国際日本学など多岐にわたります。日本古代史の研究には様々な側面で中国古代史との比較が必須なので、自ずと中国史にもフィールドを広げています。最近ではシルクロード探検隊によって世界中に拡散してしまった敦煌吐魯番文書を紙質の調査によって復原する研究にも取り組んでいます。また日本史の多様性を知るために境界史の研究にも取り組んでいます。ここでは大陸沿海地方やサハリンとの比較が重要になっています。国際的な視野を学生の皆さんにも持って欲しいと思い、それを教育の場で生かす試みをしています。

大塚 紀弘 准教授
OHTSUKA Norihhiro
高校までの歴史の勉強とは異なり、大学で学ぶ歴史学に「絶対」はありません。研究者によって、説が分かれている事象もあります。自分で考えて判断するには、史料を読解する力が不可欠です。私の担当する日本中世史演習では、日本漢文で書かれた史料を一字一句正確に読み下し、現代語訳していきます。同じ言葉でも、現在と異なる意味で用いられている場合があります。過去を知ると、現在の価値が絶対ではないことに気がつきます。こうした経験は、多様な価値を認め合うことが求められる、これからの社会で大いに役立つでしょう。

松本 剣志郎 准教授
MATSUMOTO Kenshiro
専門は、日本近世史(江戸時代)で、江戸を素材とした都市論や、吉田松陰を素材とした記憶論(近代史ですが・・・)に取り組んでいます。最近書いたものには、『江戸の都市化と公共空間』(塙書房、2019年)、『悪の歴史』日本編下(共著、清水書院、2017年)、『大名の江戸暮らし事典』(共著、柊風舎、2021年)などがあります。
古文書を読むのが好きで、ここまで来てしまいました。でも、最近はその時間があまりとれないので悲しい。

内藤 一成 准教授
NATO Kazunari
日本近代史を担当しています。明治政府のトップリーダーである元勲(元老)や、議会政治史、とりわけ貴族院に興味をもって研究を開始しましたが、その後の古文書調査や整理を通じてめぐりあった数々の史料に導かれるままに関心領域を広げ、現在に至っています。
日本近代史は、史料の発見や公開とあいまって、めざましい発展を遂げつつある、驚きと興奮にみちた分野です。それだけに、目先の新しさに心を奪われることなく、冷静な分析と腰を据えた議論が必要となってきます。私自身、このことを肝に銘じていきたいと思います。

東洋史

塩沢 裕仁 教授
SHIOZAWA Hirohito
専門は中国考古学・古代歴史地理研究で、都城・集落の立地環境を考古資料や衛星画像・地理水文情報を用いて多角的に探究する。中国洛陽外国語学院特聘教授、東京大学東洋文化研究所特任研究員を経て現職。京都大学博士(人間環境学)。単著は『千年帝都洛陽―その遺跡と人文・自然環境』(雄山閣、2010)『後漢魏晋南北朝都城境域研究』(雄山閣、2013)、共著は『水経注疏訳注』渭水編上下・洛水・渭水編、穀水編(東洋文庫中国古代地域史研究グループ)など。東洋史物質資料演習・東洋史概説・東洋史考古美術史などを担当。

齋藤 勝 准教授
SAITOH Masaru
専門は唐代を中心とした中国古代史ですが、近現代を含めて中国の歴史全般に興味を持っています。ゼミは東洋史文献史料演習を担当していますが、他の授業はほぼリベラルアーツセンターの科目になっています。法政大学に着任して2年目からほぼ一貫して学生生活や課外活動の支援を行う学生センターで働いています。正課の授業も大切ですが、課外活動も学生生活にとっては大切です。ぜひ、豊かな学生生活を送ってください。

宇都宮 美生 准教授
UTSUNOMIYA Miki
中国が好きで、中国の秘境を旅行するうちに、中国史にはまってしまいました。「水」に関心があるので、中国の水利史を専門としていますが、それに関係して都城史、交通史、交流史も研究しています。でも、「水」が怖いので、絶対にプールや海には入りません。いろんなことに関心があるので、授業では中国史だけでなく、日本や世界のことにも触れています。

西洋史

皆川 卓 教授
MINAGAWA Taku
西洋近世・近代史の担当です。専門は近世の神聖ローマ帝国(ドイツ・オーストリア・チェコ・ベルギー・北イタリアなどにまたがる政治的共同体)です。連邦への興味に始まり、法制からキリスト教の影響や政治思想の比較もしています。長く教育学部にいたので、歴史的な個人の変化にも関心を持っており、最近ではバロック建築など文化の広がりと影響にも興味を広げています。北ドイツのミュンスターからチェコのブルノ、中部イタリアのモデナまで、あちこちの文書館に古文書の収集に行きますが、一番良く出かけるのはウィーンです。趣味(というよりヒーリング)はバロック音楽の演奏で、中古の電子ピアノのチェンバロ・モードで弾いています。夢は本物のチェンバロを買うことです。

大澤 広晃 准教授
OHSAWA Hiroaki
西洋現代史を担当しています。専攻はイギリス近現代史で、とくにイギリス帝国の歴史を勉強しています。神奈川県川崎市に生まれ、国内の大学を卒業後、ロンドンに留学し現地の大学院で学びました。ロンドンには5年ほど住み、さまざまな経験をしました。その後、名古屋の南山大学で働き、2020年に法政大学に来ました。イギリスはもちろん、南アフリカにも頻繁に出かけて史料調査を行っています。

内田 康太 専任講師
UCHIDA Yasutaka
2023年法政大学に着任し、西洋前近代史を担当しています。歴史研究は史料を読み解くことが出発点であり終着点であると考えており、学生のみなさんにも授業を通じて、この作業を体験してもらえるよう心掛けています。
専門は古代ローマ史、とくに共和政末期(ローマが地中海世界の覇権を掌握した後、内乱の時代を経て、皇帝による統治の時代を迎えるまで)の政治史・法制史に関心をもって研究を続けてきました。最近は、共和政の時代が帝政の時代に転換していく過程やその背景を探ることを主な仕事としています。